まったり創作しております。メインはオリジナル小説。そろそろ版権にも手を出したい。

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黄昏マリオネット14
柿太朗と白い女の前に立っていた影が逆光の位置からゆっくりと2人の方へ近づいて来る。すると、少しずつその姿がしっかりと目視で把握出来る様になって来た。檸檬色のストライプ柄ドレスにお揃いの生地のつば広帽。顔は帽子のつばと淡い薄紅色の長い前髪で良くわからないが、その体型からどうやら革鎧を着せた白馬に乗った少女であろう事がわかった。その右手にはレイピアを握っており無言で柿太朗の元へ白馬を歩かせる。ドレスの騎士はゆっくり白馬から降りると、柿太朗を無言で見つめて来た。前髪の影で容姿や表情は何ひとつわから無いが、柿太朗はその視線を受けて胸中を酷い不快感に覆われ珍しくうなじに冷や汗を垂らした。

「なぁに、貴女。お兄さんのお友だちかしら?」
「いや・・・この方は俺も初対面っスね。」
「・・・。」
「まぁ良いわ。邪魔をするなら容赦はしないわよ・・・!」

白い女は柄なし大鎌をドレスの騎士に向けて大きく振り上げた。鎌の回りには風が纏い、まさに嵐を持ち上げている様に見える程の気迫を感じる。騎士は言葉語らず静かに可憐な体を白い女に向け、見上げる。女は鎌を力いっぱい振り下ろした。

「・・・。」
「何っ!?」

鋭い一閃。それが決まったのは大鎌ででなかった。檸檬色のストライプ柄ドレスの裾を翻し、少女が白い女の懐へレイピアの切っ先を突き刺す。華奢だが芯のしっかりした姿勢で真っ直ぐ突き刺す刃から白い女はすんでの所で避けたので致命傷は何とか免れたものの、的確に脇腹をレイピアの刃が抉って行くのをその痛みから感じとる。女に結構なダメージを与えたからなのか、柿太朗を取り巻く水の牢は崩れ自由を得る事が出来た。柿太朗はどう動いて行こうかと状況を様子見していたが、ドレスの騎士はそれに見向きもせず体勢を崩して座り込む白い女にもう一撃を食らわせようとゆっくりと歩き出していた。ドレスの少女の様子は一見リラックスとすら思える穏やかなものに見えるが、次は致命傷・・・と言わんばかりの殺気が舐める様に周囲に広がりじっとりとした空気が一帯に溢れる。白い女は初めて体感する限りの無い恐怖からまばたきすら忘れぐっと目を開いたまま浅く息をして身を震わせる事しか出来なかった。レイピアの刃が煌めき女の胸元へ突き立てられる。

「・・・?」
「これは・・・!!」
「氷・・・!」

柿太朗が二人の様子を見るとドレスの騎士が突き立てたレイピアの切っ先から氷の塊が現れ、白い女を傷付け無いようにその刃を塞き止めていた。ドレスの少女は突然の事に思う事があるのか無いのか、無言のまま立ち尽くすばかりだった。すると、どこからともなく強い吹雪が吹き荒れて白い女をさらって行ってしまった。最後に吹雪の吹き行く先の木陰から白い蛇がこちらの様子をちらと伺ってから去って行くのを柿太朗は見逃さなかった。

「蛇・・・?」
「先輩・・・!」
「柿太朗殿!」

ふと、気付くと背後の方向から銅と咲希が柿太朗を探してやって来た。銅はどうやら去り行く白蛇に気付いたらしい。柿太朗は振り向くと見慣れた本物の顔に安堵の表情へと顔を緩ませる。

「わざわざ探しに来てくださったんスね!」
「あら、掠り傷までなさって柿太朗殿は何をしていましたの?」
「あ、嗚呼・・・これっスか?さっきまで先輩の偽物がいたんですけど、色々あってそこにいるドレス着た少女の騎士が助けてくださったっス!」
「・・・少女の騎士?」

銅は柿太朗の話に思わず眉間を寄せた。柿太朗の指差す先どころか今この周辺一帯には3人以外には誰もいない。樹木に斬り傷が刻まれ争ったであろう風景が静かに陽に照らされているだけだ。柿太朗は2人のしっくり来ていない反応に疑問を残し今さっきまであった状況を思い出しながら後ろを向く。

「・・・あれ?いなくなってるっス。」

気付かぬ内にドレスの騎士もいなくなっていた。
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