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黄昏マリオネット4
黄昏マリオネット4



朝。木漏れ日が窓から差し込み、ベッドで寝ている銅を
優しくその光で包み込む。彼がその暖かな光で朝に気づ
き、体を起こすのはそう、遅くはなかった。銅の寝間着
もヨーロッパスタイルで裸を推奨する柿太朗を傍目に、
いつも咲希が用意している。何故普段着は銅のも選んで
いて、そこそこ上手な着こなしなのに、寝る時は何も着
ないのか。池氏柿太朗、実に残念な男である。
 さて、今日の銅の寝間着は、シンプルなデザインのT
シャツに、すっきりとしたシルエットのズボンといった
とても実用的で悪くないセンスのコーディネイトだ。し
かし、いつもの目覚めの風景とは異なるものも。そうだ。
昨日副業の仕事先で受けた右腕の呪詛だ。冷やかな程、
白いきめ細やかな肌に這うのは、不釣り合いな黒い大蛇
のタトゥー。まだ何も見た目以外の害はないが、うっと
おしいったらこの上ない。銅は赤みがかかった金の前髪
をゆるくかきあげると、小さくため息をもらす。

「・・ったく。誰がこんな戯れを、くだらない・・・」

布団を膝にかけたまま、ベットに座っていた銅の隣で、
同居人の柿太郎が気持ちよさそうにすやすやと眠ってい
る。警察である柿太郎はそろそろ起きないと、朝礼に間
に合わない。起こそうと銅が柿太朗の布団をめくると、
案の定今日も彼は一糸まとわぬ姿で寝ていた。しかし、
それも日常茶飯事。銅は気にしなかった。呆れながら
も起こすと、低血圧の男はほのかに青白い顔を上げ目
を覚ます。


「また裸で寝て・・・おい、起きろ。朝礼に遅れるぞ」
「んーーーーーーふわああああぁぁぁ・・・・・・・」
「 ! 」

寝ている、と思っていた柿太朗の体をゆすっていたら、
ふいに、腕を掴まれ寝ている彼の方へ引きずりこまれて
しまう。近くなる全裸の柿太朗の肌を目にして銅はその
人形よりも美しいと言っても過言ではない顔を真っ赤に
染める。当の柿太朗は口角をにんまりと上げて満足げに、
しかし、気だるそうに笑む。

「先輩、寝起きの顔も可愛かったっス。」
「お前起きていたのか・・・・!」

顔を真っ赤にして銅は口を尖らせる。柿太朗は気だるそ
うに顔をにんまりと緩ませると、また眠りにつこうとし
た。しかし、銅はそれではいけない、と気付き目の前の
男を起こそうとするがとうの本人は全く気にしない。完
全に眠ってしまうくらい話を聞かないどころか、柿太朗
は銅のほの赤い頬に頬をよせたりして、あたかも猫の様
にじゃれて来たのだった。それに対し銅は恥ずかしさや
ら、話を聞かない怒りやら、色々な感情が混沌とし、思
わず柿太朗の顔に枕を思いっきり投げつける。柿太朗は
苦痛の声をあげると、ゆるく、起き出すのだった。

「ふん・・・・馬鹿者が!おはよう・・・・。」
「・・・・・・おはようございます。」
「な、なんだ・・!!」
「先輩、照れた顔も可愛いっスね。」
「なっ!・・・・早く着替えろ!!」

そっぽを向いて銅はベットの上においてある制服を指差
す。柿太朗はにやにやと暫く目の前の愛しい人を見てい
たが、やっと思い出したかの様に制服に手をのばす。も
ずもずと眠たそうに着替えてリビングに行くと、銅はす
でに家を出る所だった。

「おや、今日非番なのに出掛けるんスか」
「そういうお前は当番じゃないのか」
「代わりをお願いしたので、大丈夫っス!」
「お前、式神をまた使ったな。ったく、最近覚えたから
って・・この前の桜の広場を調べに知り合いの所まで行
くんだ。お前、仕事行け。」
「えー!俺も先輩と一緒に行くッス!!!」
「・・・見苦しい。」

良い歳した男が半裸でベッドの上をのたうち回る。さす
がの銅も渋い顔をする。今日の銅の服は黒のスキニーに
ゆるいTシャツでライダースジャケットをはおったコー
ディネートだ。ちなみに靴は編み上げブーツでズボンを
インするテイストだ。柿太朗は布団に絡まり涙目で銅の
服をじっと見つめる。

「・・・先輩、今日はバイク乗るッスか。珍しいッスね」
「・・・お前が仕事があるって言うから昼休みに間に合
わせて、し、食事でもしようとしてたのに・・・仕事、
行かないんじゃ・・・
「ええ!それなら仕事行くッスよ!行きます!行かせて
下さい!!!」

顔をそらして答える銅をびっくりした顔で見る。慌てて
服を着替えた柿はバタバタと部屋を出て行ったのだった。
・・・誰もいない部屋、銅は一人、火照った顔を落ち着
かせるのに戸惑って、家を出るのが遅くなってしまった
様だが、誰一人、そんな事知る者はいないだろう・・・
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